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しばらく使い道のなかったマイルで石垣島に家族旅行。4泊5日の旅程のうち、今日が滞在4日目。
午前7時半起床。旅行の何がいいといって、朝食も作らなくていいし掃除をする必要もないのがいい。シャワーを浴びて、コーヒーを淹れて、今日の予定を話し合う。
9時、石垣島鍾乳洞。10時、牛そばの「次男坊」。11時半、川平湾でグラスボート。島内をドライブし、15時に八重山博物館。16時、居酒屋「南風」。
3年ぶりの長期の家族旅行で気づいたことが3つある。
ひとつめ。8歳の息子が観光や散歩を楽しむようになっていた。大人のための時間と、子どものための時間、ふたつのプランを考えなくても済むようになり、何事も一緒に楽しめるようになっていた。
ふたつめ。普段、息子には小学校とその友達付き合いがあり、妻にも妻が熱中していることと、そのつきあいがある。私もしかり。その三人が、普段のつきあいから離れ、朝から晩までずっと一緒にいる時間が、実はとても貴重なものになっていることに気づいた。今後、子どもが大きくなるにつれ、そうした時間はますます貴重なものになるのだろう。
みっつめ。この数年の間に、地域の観光事業に当事者として関わる機会が増えたことから、メタ的な視点で観光するようになっていた。
今回訪れた石垣島・八重山諸島でいえば、恵まれた気候と景観のせいで、あまりにも「Right here, right now」に偏ってしまっていてもったいないと感じた。尖閣諸島をきっかけにした地政学的な学び、柳田國男も晩年に注目した民俗学的な奇習・奇祭の体験。そうした空間的・時間的な広がりを感じる機会がもうちょっとあれば、さらに石垣島・八重山諸島への関心が深まるのになと。わずかに、離島ターミナルにある尖閣諸島情報発信センターと石垣市内にある八重山博物館がそれにあたるのだが、大抵の観光ガイドでは紹介されておらず、どこも閑散としていた。
弥勒面のお土産がないものかと探し回ったが、見つけられなかった。
遠野のように広く深く掘っていくのが楽しい場所のことをよく考えている身からすると、いるだけで楽しい気分にさせてくれる豊かな石垣島はとてもまぶしかった。
いま心に残っているのは、サビチ鍾乳洞を抜けた先にある小さな海岸で、息子と妻と三人でヤドカリを探し、レース場を作って競ったことだったりする。観光客が通りすぎていく何もない場所で、三人だけが一時間ほども座り込んでいた。そういうとき、いい旅行ができたなと思う。