仕事でバタバタしていて、今週はよほどスキップしようかと思っていたのですが、一週間のニュースを見直してみたらや今週は今週でリストしておかなければなるまいという気持ちに駆られ、やはり机にしがみつくことにしました。コメントは簡易に、継続は大事に。
今週のナイン・ストーリーズ
2022年7月13日〜2022年7月19
1/ Web1世代とWeb3世代の共通点
こんなツイートを見かけて共感しました。Web3のプロダクトに取り組んでいると、ユーザーの課題やペインといった言葉はまったく出てきません。自分にとっては20年前と同じ景色です。それが実に楽しい。

2/ イー・ガーディアン、NFTゲーム事業を包括的にサポートする「NFTゲームサポート」を提供開始
鉱山の横でジーンズを売るような話ですが、実際のところ、Discordの運営をサポートしてほしいというニーズは存在します。知人のNFTのプロジェクトでも、実際に給与が発生するDiscord管理者のジョブの募集が行われていました。自分はよく「Discord is eating the world」と言っているので、それが着々と進んでいる記録としてリストしてみました。
3/ Gavin Wood氏による講演:「Governance V2 」まとめ
ギャビン・ウッドの講演。いつもニュースレターを書くときにはよく読んでから紹介するのですが、今回は十分に読みこなせていません。だからコメントも書けません。にも関わらずリストします。このニュースレターは自分にとってもたまに振り返る備忘録になっているので、あとで引っ張ってきて何か書こうと思います。
ヴィタリック・ブテリンのブログ。7月に出たばかりの話題の本『Network State』に寄せたブログ。こちらは記事も読めてないし、本も読めてません。わずかに「オフトピック#122」で紹介されているのを聞いたのみです。にも関わらずリストします。理由は前項と同じです。たぶんあとで引っ張ってきます。
5/ Evan WilliamsがMediumトップから退任
Evの去就は個人的には関心を持てないのですが、ブログというツール/メディアについて論考を重ねてきている堀さんの言葉には、いつも大きな関心を持っています。今回印象に残ったのはここ。YouTubeやTikTokなどに対して劣勢なブログについて「それでも……」と言わんばかりに続けるこの一節。
そのかわり、文章には時間を越える役割があります。
そうだそうだ。歴史が証明しているように、これほど明らかなことはありません。特に小説なんてのは、個人が書ける文章のなかでは、突出して時間を超える力が強い。私はそこに魅了されています。
6/ 『ブログ誕生 総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア』を読んだ感想
2010年に翻訳出版された、ブログとWeb2.0と個人メディアの歴史をまとめた決定版。当時、いちるさんに薦められて読んだのですが、あまりに素晴らしくて折り込みだらけになってしまいました。今でも大事に持っています。当時すでに「ブログ」というツール/メディアは過去のものになっていたので大きな注目を集めることはなかったのですが、そうしたタイミングだったからこそ全てを総括し得た優れた本です。いまもこうして新しい読者を得ていることを嬉しく思います。
いくつか引きます。
初期のブロガーは「フィルター」と呼ばれ、インターネットのすぐれたコンテンツを紹介するブログがほとんどだったそう。
最近でいうとブログよりも、ニュースレターがこの役割を担っている気がします。
もうひとつ。
もともとはあの時代にHTMLをいじるスペシャリストのものだったブログが、Bloggerのサービスでより一般的に。
ブロガーの企業自体は倒産寸前だったのを、あのグーグルが買収。
これ、ポッドキャスト的にいうとスポティファイによるAnchor買収と同じ流れですよね。
自分がニュースレターやポッドキャストに惹かれる理由が、若い読者によって言語化されているところが嬉しい。
7/ 「NFTは悪夢」とゲーム会社CEOが講演。リスナーは拍手喝采、スポンサーは怒る
あたらしい話ではないのですが、STEPNをめぐる賛否両論がいまだかまびすしいなかで、あらためて、代表的な批判の声をとりあげ、それに対する私の意見を書き留めておくことには意味があるかもなと思いリストしました。
現在主流となっているゲームにNFTを導入する必要があるとは私も思えないのですが、それとは関係ないまったくあたらしいところにゲーム性をともなったNFTが出てくると思っています。私はできればそれを近くで目撃したい。
ミーハーなことを言うようですが、本を作るにあたってもっとも楽しい仕事のひとつがエピグラフを考えることです。自分が新しく書いたテキストを、長い長い時間を生き抜いたテキストに関連づけることによって、歴史の末席に連なり、つまらないテキストにもわずかながら守護が得られる気がするわけです。そのエピグラフについての研究です。
9/ 多様で重層的な歴史が北から南に連なる列島に展開していった
大塚英志さんのつぶやきから。
日本地図から得られる意外なパースペクティブとしては、下にユーラシア大陸を、上に日本列島を配置した「逆さ日本地図」が有名で、いまでは「裏日本」などと呼ばれる日本海側がかつては世界の中心だったんだなということが大陸と向かい合った絶好の位置関係からすぐと了解されますが、この地図はその視点をもっと北に向けてくれます。関連して、渡辺京二の『黒船前夜 ~ロシア・アイヌ・日本の三国志』も思い出します。
ちょうどいま、あるプロジェクトで、17世紀の東北が海を通じて世界とつながっていた時代の物語を開発しているので、この地図にも大きな刺激を受けました。チームメンバーに紹介するのに使おうと思います。


あとがき
ここまで書いてちょうど一時間。タイムアップにて今週はこれでおしまいです。来週は、もしかしたら、あたらしいプロジェクトについてなんらか発表できるかもです。それではまた来週。