2週間ぶりの配信です。珍しく、書く余裕はあったのにニュースを取得する余裕がなくて9本に満たなかったから、という理由で見送りました。その間、準備していたのがこちらです。
準備してますよ〜とお伝えしていた遠野の新規NFTプロジェクトの情報公開第一弾です。今秋の発表に向けてメンバーみなで鋭意製作中のところなのですが、この段階から徐々に情報を出していくことにしました。参加者も募集中です。詳しくはこちらのニュースレターで。
今週のナイン・ストーリーズ
2022年9月7日〜2022年9月20日
1/ The Merge
イーサリアムのPoWからPoSへの移行が完了しました。と書くとそれだけのことになるのですが、何ヶ月も前からどうなることかと心配していたことが、無事(ここ重要)、完了したという良い知らせです。これに関する情報はあまりに多くて紹介できないので、記念碑的にThe Mergeをお知らせする投稿だけを貼り付けておきたいと思います。
2/ スターバックスのNFTの詳細が明らかに
コンシューマー向けのトップブランドであるスターバックがWeb3にどう対応するのか界隈で注目されていましたが、詳しいことがわかってきました。
このニュースがどう受け取られているのか調べる余裕がなかったのですが、個人的には好意的に受け止めました。この部分です。
お客様はアプリを通じて課題をクリアしたり、ゲームをプレイすることで「旅スタンプ」NFTを獲得することができるようになる。一方、限定版のNFTスタンプは同社が販売し、クレジットカードで購入することができる。
これがWeb3未満のサービスだと軽んじられるのか、それとも、マスアダプションに向けた妙手だと受け取られるのかわかりませんが、根がWeb3リアリストにできている自分は現実的でよいサービスだなと思いました。しかしもう一方の根がUGCリベラリストにできている自分は、公式のセカンダリーマーケットプレイスにどれだけの自由度があるのかが気になっています。そういうところに、サービスの本当の哲学があらわれてると思っているので、今後もチェックしていきたいと思います。
3/ 楽天、「Rakuten NFT」において、自治体および関係団体がNFTコンテンツを販売する「ご当地NFT」を開設
単数あるいは複数のNFTを内包した未開封パックを作ることができる、というサービス。簡単にいうとデジタルコンテンツのガチャガチャやトレカを作って売れるプラットフォームなのですが、その対象を「自治体および関係団体」に限定し、サービス名を「ご当地NFT」と銘打つことで、親しみやすさや公共性が演出されています。リリース内には、将来における「ふるさと納税」への対応も言及されています。
こうしたプロジェクトの解のひとつとして、地域やプラットフォーム性にプレーヤーの目と手が集まってきている感じがします。自分も含めて。
あとで書くとか威勢のいいことを言ってしまったんですが、それを書くには文字数が……
具体的にはこのあたりへの違和感。
対抗するナラティブや言論を考えるのが私たちの仕事です。ウクライナ人がロシアの物語に、感情がこもり、より大きな論理に基づいたナラティブで対抗したように。
引用しながら、今年3月のハラリのこの発言を思い出しました。
突き詰めれば、国家はみな物語の上に築かれている。ウクライナの人々が、この先の暗い日々だけではなく、今後何十年も何世代も語り続けることになる物語が、日を追って積み重なっている。首都を逃れることを拒絶し、自分は脱出の便宜ではなく武器弾薬を必要としているとアメリカに訴える大統領。黒海に浮かぶズミイヌイ島で降伏を勧告するロシアの軍艦に向かって「くたばれ」と叫んだ兵士たち。ロシアの戦車隊の進路に座り込んで止めようとした民間人たち。これこそが国家を形作るものだ。長い目で見れば、こうした物語のほうが戦車よりも大きな価値を持つ。
これは武器に物語で対抗しようという話ですが、アップルバウム氏のそれは物語に物語で対抗しようという話。私には、そのどちらもが、人間の認知や思考のクセをハイジャックする話にしか聞こえなくて、そういうことには興味が持てませんでした。
そういう話題に興味がある方は、近刊にこんな本がありますのでおすすめ。
人には、ふたつの異なる物事の間に関連性を見つけようとする性質があります。その性質が、ナラティブの最小単位です。その性質とどうつきあい、どう自分のものにしていくか。私はそれに興味があります。
5/ 大槌稲荷神社宵宮祭にて金澤神楽さん
この時期はいつも「遠野まつり」が行われるので、他の地域のお祭りにはなかなか目が向かなかったのですが、たまたま飛び込んできたこの写真に目が奪われました。美しい。釜石市の大槌町は遠野のすぐ近くなので、いつか行ってみたい。
6/ 縄文カード誕生、あふれる土偶・土器愛 マイナー100種類を収録
あおもり縄文カード。意味不明な情熱に胸が熱くなってご紹介したくなりました。
近年、「縄文」というと、あらゆることのルーツをなにかと縄文に結びつけたがる「なんちゃって縄文」や「スピリチュアル縄文」のおかげで警戒心をいだきがちだったんですが(そうした情報はアメブロやInstagram等でよく見つけることができます)、そういうのを抜きにした単なる縄文LOVE。素晴らしい。
7/ 陰謀論集団「Qアノン」についての書籍『Qを追う』が、期間限定で公開されています
朝日新聞が継続的に報じたりポッドキャストでも取り上げている「Qアノン」について、まとまった本が出ました。
このニュースレターが発行される頃には無料公開の期間は終わっていますが、ざっとけんさくしたところ「ひろゆき」というキーワードが10箇所ほど出てきました。ひろゆきと本書のテーマとの関係が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
自分がこの件から目を離せず、継続的にメディアヌップでとりあげているのは、UGCのダークサイドについて知っておく必要があると思っているからで、そういう関心をお持ちの方がもしいれば、おすすめしたいと思います。
自分も近頃「一降霊術師の日乗」という日記を書きはじめたことで、内沼さんの発言に膝を打つような思いになりました。
歴史学では、日記は重要な史料として扱われます。その時代を生きていた人の生活が分かる。歴史の観点で重要な出来事だけでなく、その他の教科書に載らない何でもないこと、普段の生活のことなども書かれています。こういう人はこんなものを食べていたとか、こういうところで暮らしてるとこういうことを思うんだとか、この時代の人はこういう価値観なんだよなとか、そういうことが分かると単純に面白いですよね。
思い返してみて、自分が好きな日記は『一私小説書きの日乗』(西村賢太)に、『富士日記』(武田百合子)に、『単純な生活』(阿部昭)に……そんなに読んでない。今度「月日」に行ってみよう。
9/ トマトは白だし絡めてチーズのせて焼くとめちゃくちゃ旨い
個人的に、めったにない大ヒット。思い出せるのは、「桃モッツァレラ」以来か。それくらい簡単で、意外なおいしさがあります。我が家では白だしが余りがちになるんですが、今後は和食に限らず自由に使ってみようと思います。
あとがき
いまこれをロサンゼルスのホテルで書いています。明日からのONA22に参加するためにやってきました。ONAは3年ぶり3回目の参加。毎度、その後1〜2年使えるような霊感を受けるので、今回も楽しみです。