私が務めるスマートニュースで大規模なレイオフがあり、その関係でバタバタとしていました。世の中ではAI関連のニュースでさらにバタバタとしていますね。
今週のナイン・ストーリーズ
2023年1月11日〜2023年1月24日
1/ あらためてWeb3.0とWeb3について
もともと、AIによるセマンティックウェブの未来がWeb3.0と呼ばれていたからこそ、ブロックチェーンのほうをわざわざ「Web3」と表記・発音しているわけなので、前半までは当たり前の話。3.0と3を呼び分ける意味が自明になるのは喜ばしいことだと思います。
一方、それらがどのように黒歴史になりえるかについては、この意見はかなり甘いように思います。WELQ問題はわずか6年前のことです。
眉をひそめたくなるようなこのような投稿が目立って見られるのはまだ騒動の序の口で、これが潜伏化し、さらにChat AIの内部モデルそのものに悪影響が忍び込んでしまうことを予想したいと思います。
2/ 12 NFT Utility Ideas for Creators to Dominate in 2023
NFTのユーティリティの実例集。定期的にあがってくるものですが、便利なのでよくとりあげます。見出しはこちら。
1 物理的な商品
2 デジタルグッズ
3 音楽使用料
4 新しいドロップへの独占アクセス
5 許可リスト
6 イベントへのアクセス
7 記念品
8. IRL ミートアップ
9 チャリティーと慈善活動
10 トークンのエアドロップとトークンの収量
11 金庫に対する議決権の行使
12 プライベート コミュニティ
3/ NFTS ON INSTAGRAM PROVE POPULAR AS TOP ARTISTS SELL OUT PROJECTS IN SECONDS
InstagramによるNFT普及の萌芽について。今年、あるプロジェクトでなんとか挑戦してみたいと思っているので、意思表明としてリンクします。
4/ チャットAI! ChatGPTの使い方 - 実践的なアイデア事例つき
ChatGPTをうまく活用するためのプロンプト集や事例集は数多くありますが、この記事で気に入ったのは「コミュニケーションの型」から説明するところ。コツはダイアローグとのこと。プロンプト集ではとっつきにくかったという方におすすめです。
Debate(討議):どちらの主張が正しいか決める
Discussion(論議):意思決定や意見などの着地点を定める
Dialog(対話):互いの前提や意見のわかり合あい、何かを見出そうとする
Dalliance(雑談):たわいもないことを言い合う
5/ ブログ感覚で世界をつくる
Generative AIを駆使してTRPGを遊び尽くすことを今年の目標のひとつにしている私にとってこの手の話題に興味が尽きません(同時にそれてトークンRPG、すなわちtRPGにしたいという野望も持っています)。
この投稿をされた梶谷健人さんがForbesに寄稿した記事が「Generative AIはわたしたちの創造性と社会をどう変えるか」で、特に印象に残ったところを引きたいと思います。
スマートフォン時代に「どんな場所に行くか」「そこでどう体験を記録するか」という2大パラメーターがコンテンツの良し悪しを左右したように、Generative AI時代には「どれだけの理想を思い描けるか」「それをどれだけマシンに適切に伝えられるか」という2大パラメーターがコンテンツの質を大きく左右するようになるはずです。
そして人々を魅了する「良い理想」を思い描くためにも、それを「適切にマシンに伝える」ためにもある種の「教養」というものが非常に大事になってくると思います。
北大路魯山人や柳宗悦のような人々がプロデューサーとして器や食の世界にいかに革命を起こしたかを思えば、ずっと前から変わらずにそうだったようにも思いますが、言わんとすることはわかりますし、私が得意にしていることなので、大いに賛成したい。
6/ カード! カード! カード!
Tales & Tokensはコンテンツのトークン化(カードゲーム化)を得意としているので、こうしたニュースは自然と私の目に飛び込んできます。今年、アクションをとりたいリストとして記録しておきたいと思います。
7/ Substackのプライベート利用
簡単にいうと、SubstackをTwitterやInstagramの鍵付きみたいに利用できる機能。
と書くと「なんだそれだけ?」と思うかも知れませんが、そこには、単なるニュースレターとしてはじまったSubstackの長期的な歩みが感じられて、ちょっと熱いものを感じるんですよね。
2020年5月19日、Substackは自らのことを島々のようなものだと言いました。
Today, Substack publications are like islands on their own, with little communication between each. But over time, we aim to build Substack into a network, where writers can support each other and readers can find millions of deeply satisfying media experiences.
今、その島々には、連絡船が航行し、橋が架かろうとしています。楽しみです。
8/ 追悼・高橋幸宏
90年代半ば、NHKの「土曜ソリトンSIDE-B」という番組で、高橋幸宏は細野晴臣を天才、坂本龍一を奇才と呼んだうえで、自分のことを「凡人」と定義しました。それを見ていた高校生の私は「なるほど、そうなのか」と納得したのですが、今だったら即異議申し立てをします。非凡な大スターでした。あまりにも大きかった。
9/『美術手帖』坂本龍一特集、6年後の編集後記──『async』と『12』から「坂本龍一」を考える
インタビューそのものもおもしろいのでおすすめですが、それにかこつけてニューアルバム『12』をめっちゃ聞いてます、ということを記録しておこうと思います。個人的には、早くも2023年を代表するアルバムになっています。
アンビエントのようなピアノ曲の断片のような、ちょっと万人におすすめしづらいところがあるのですが、坂本龍一の昨年の心境を想像しながら、高橋幸宏が亡くなったあとの今の時期にこれを聴いていると、ちょっと異常心理を起こしちゃうような感覚がするんです。まるで、デヴィッド・ボウイにキスされて卒倒するヨノイ大差のように(『戦場のメリークリスマス』のワンシーンです)。
あとがき
ポッドキャストを配信して、ニュースレターを書いて、日記をしたため、さらに連載小説を発表する。メディアヌップがますます謎の媒体になってきたような気がします。