月曜日は連載小説、水曜日はニュースレター(隔週)、金曜日はポッドキャスト。そんなペースでやっております。
今週のナイン・ストーリーズ
2023年1月25日〜2023年2月7日
1/ Damusは単なるソーシャル メディア プラットフォームではありません。根本的に違います。
ポストTwitterの文脈で話題になっている「Damus」ですが、懐かしきアテンションエコノミー時代の先行者利益よもう一度とばかりにフォロワー集めに熱心になっている御仁を見かけるとなんだか少々げんなりしてしまいます。そういうものじゃないと思うのですが、それがクリアになるにはまだ時間がかかりそうです。
個人的には、構想しているtRPG(トークンRPG)のキャラクター生成のUXのヒントになりました。SNSのアカウントをつくるのではなく、ゲーム内の分身やパーティを作ってそれを本当に所有する、そういうUXです。
関心のある方はこちらも参考に。
NostrとDamusなどについての日本語リンク集
2/ GPT-4を統合したMicrosoftのBingの新しいインターフェースがリーク
Generative AI関連のニュースを選んだらそれだけ9本を満たしてしまいそうだったので、禁欲的にあえて一本だけ。私がワクワクしたのは「一方通行でなく、逆に質問してくる」というところ。『僕らのネクロマンシー』で機械的知性との会話をまるまる一冊分買いたものとしては、「よ! 待ってました!」という感じ。質問を生成できるようになったとき、彼女(レディ)はおそらくメディアヌップのゲストとして登場すると思います。お楽しみに!
ちなみに、このあとユーザーはAIに個性を求め始めて、やがて愛玩するようになると思います。あるいはまた、私たちが人間の知性だと思っていたものが逆に機械的反応に過ぎなかったことがよく知られるようになり、人間中心主義の最後の砦がぐらついてきます。その先の想像は『僕らのネクロマンシー』にて。
3/ デザイン分野のトップ有料ニュースレターはあなたの予想を裏切る内容になっている
木工家具作りをテーマにしたニュースレターが、Substackのデザイン部門でもっとも多い購読者を得ているのはなぜか。その理由を深掘りする内容。だからニュースレターっていいよね、と思える内容で広くお勧めしたい。
4/「わたしたち」という感覚は、いかにして拡張される?──山古志住民会議・竹内春華×ドミニク・チェン|designing
日本ならではのウェルビーイングの感覚としてmeではなくusに注目するドミニクさんならではのインタビュー。ドミニクさんには#056 ナラティブとストーリーの対決にもご出演いただきましたが、実は遠野にもご縁が濃くなっております。またなにかご一緒する機会があればなと思っています。
更新がはじまったばかりの「聞くスローニュース」から。ものすごく初々しい喋り方ですが、どのエピソードにもしっかりとして意見があって聞き応えがあります。毎日更新なので本数が多いのですが、ソーシャルメディアに関心がある私としてはこれを選びました。いまにはじまったことではありませんが、本当にいまのSNSはぶっ壊れてしまっていると思います。
6/ コンゴのコルドバ採掘鉱山
一度ならずちょくちょく書いているのですが、私はあたらしいスマートフォンやPCを買う時に必ずレアメタルの採掘労働にあたる人々のことを想像します(わざわざ小説にも書きました)。その光景はこういうものです。
7/「ゼビウス」稼働から40周年! あらゆる文化に大きな影響を与えた不朽の名作シューティングゲームの軌跡を振り返る
ゼビウスのエピソードは何度読んでもおもしろい。メディアヌップでこれをわざわざ紹介するのは、これが、プログラムの外部に構築された物語によってコンピューターゲームがヒットした記念碑的な事例だからです。いまのNFTのシーンで起こっていることに多くの共通点がありますよね。
8/ 研究機関・国立天文台がなんと自らTRPGを開発。ゲーム名は『Sandcastle』、科学が異常発達したファンタジー世界で自由に冒険
どこからどう見ても好き。
https://prc.nao.ac.jp/publication/sandcastle/
私がそう思うのは、自分もそういうことをやろうとしているからだと思うのですが、Generarive AIが流行れば流行るほど、このようなルールメイキング、世界設定、物語開発、キャラクター開発がより楽しくなる気がするんですよね。一見して古くさい遊びに思えると思いますが、このあとの10年のうちにRPGの黄金期が再び来るように思います。
天沢退二郎に導かれて宮沢賢治に親しみました。ズボンのポケットに長いこと入れていてボロボロになった新潮社の『新編 宮沢賢治詩集』や『「春と修羅」研究1』。自分にとって特別な名前でした。合掌。
あとがき
GOTLの第2弾プロジェクトを、TONO DAOのなかで少しずつご案内しています。リアルプロダクトとして、世にも珍しい無摘果リンゴと、シードル(ハードサイダー)をつくる企画です。ぜひご注目ください。