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#013 [反省会] 柳田國男の『遠野物語』をおもしろがる人々
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#013 [反省会] 柳田國男の『遠野物語』をおもしろがる人々

今回の反省会は、聞き手と編集を務めた宮本がお送りします。

こんにちは。岩手県遠野市で企画・編集・執筆をしている宮本です。これまで雑談回に出演したり、シーズン2では聞き手を務めたりしていますが、ニュースレターでは初めての登場となります。

今回は雑談回。シーズン2「柳田國男の『遠野物語』をおもしろがる人々」 の内容や制作について、ささきるさんとtelさんと一緒に振り返りました。


このニュースレターでは、番組のなかで使われたキーワードに簡単な説明を加え、必要に応じてURLを記載しています。番組とあわせてお楽しみください。

番組へメッセージを投稿するフォームと、Discordのサーバーの招待URLは末尾に掲載しています。お探しの方は最後までスクロールしてみてください。

番組は、このニュースレターでもお聴きになれますし、Spotify / Apple / Google / Amazonでも配信しています。

シーズン2を振り返って

メディアヌップでは編集を担当している僕ですが、音声編集をするのは実は今回が初めて。また、遠野に住んでいるものの『遠野物語』をしっかり読んだことがなかったので、今回の配信を通して初めて知ったことが多くありました。

そこであらためて僕が今回のシーズン2を通して、やったこと・学んだことを「制作」と「番組の内容」それぞれの観点でまとめてみました。

[制作] Adobe Auditionを使った音声編集

メディアヌップで配信している音源は、Adobe Auditionを使って編集しています。Adobe製品のなかでも、とりわけ使い方を解説する本やウェブサイトが少ないAuditionですが、ディレクションを担当するtelさんに教わって、どんどんできることが増えていきました。

配信するエピソードは収録した後、音源をひとつのファイルにまとめ、ノイズを除去したり、ボリュームの調整をしたりするエフェクトをかけていきます。最初はぎこちなかった作業が身についてくると、すごく気持ちよくて。

特に、特定の周波数域の音質を調整する「パラメトリックイコライザー」はやればやるほど、沼にはまっていく感覚がありました。微妙な調整で音質が本当によく変わるんです。耳心地のよさの探求は奥が深いですね。

[番組の内容]『遠野物語』を4分類で考える

今回のシーズン2では、ささきるさんの提案のもと、『遠野物語』を「作品✕地理」の軸で4つの分類に分けて考えました。この4分類に分ける考え方がとても画期的で。社会派、創作派、観光派、原典派、それぞれで見え方が大きく変化しました。僕のお気に入りは社会派で、『遠野物語』から柳田國男、民俗学へ興味を持ちました。

「もう読まなくていいんです」と始まったシーズン2でしたが、ささきるさんとゲストの富川さん、はるっぴさんの話を聞いた後にはすごく読みたくなってしまって。僕はすでに『口語訳 遠野物語』(佐藤誠輔, 2014年)と番組内では登場しなかった『関西弁で読む遠野物語』(畑中章宏, 2020年)を手にとってしまいました。みなさんもぜひ番組を聞いた後で、気になったところから『遠野物語』に触れてみてください。

それでは、長くなりましたが、ここからが番組で出たキーワードの紹介です。

番組のキーワード

ディレクションと音声編集

メディアヌップ・シーズン2では、全体のディレクションをtelさんが行いながら、編集は宮本が(エピソード1、4はささきるさんも)担当。僕は今回が初めての音声編集でした。

ビルドゥングスロマン

教養小説と訳される、主人公の成長や人間形成の過程を描いた小説のこと。

「自分の耳を信じて」

シーズン2の配信音源作成中に、telさんから宮本へのアドバイスとして投げかけられた言葉のひとつ。音声編集は数字にとらわれすぎず、自分の耳の感覚を頼りに心地よい調整をかけることが大切。はじめは認識できなかったノイズも、回数を重ねるごとに気づけるようになって、だんだんと頼りがいのある耳になってきました。

ヘッドホン「MDR-7506」

ささきるさん、telさん、宮本が使っているソニー製のヘッドホン。通称、青帯。
https://www.sony.jp/pro-audio/products/MDR-7506/

リバースエンジニアリング
製品の分解や解析を行い、設計や構造、技術情報などを明らかにすること。telさんの編集を分析すると、BGMの切り替えが11秒に設定されていることがわかりました。

『ロードス島戦記』と『遠野物語』の共通点

配信をした後で、気づいたふたつの共通点は「語りと書き言葉の間」の物語であること。『ロードス島戦記』は、会話で物語を完成させるTRPGから始まった作品。『遠野物語』は佐々木喜善が話した逸話や伝承を柳田國男が文章にした作品。

マーシャル・マクルーハン

1911年生まれ。カナダの英文学者、メディア・文明批評家。「the medium is the message(メディアはメッセージである)」などの主張でメディアの特徴を表現したことで知られています。『メディア論』(1987年)の著者。

TRPGを実際に体験

シーズン1「あなたの知らないロードス島戦記の世界」の全エピソードの配信が終わった後、メディアヌップのDiscordに参加している希望者の中で実際にTRPGをプレイしました。ちなみに僕は参加できていません。遠野物語TRPGやりたい。

語り部

昔話や民話などを語り伝える人のこと。遠野では、「遠野昔話語り部の会」や「『語り部』1000人プロジェクト」があり、語り部が身近な存在です。

ゴールデンカムイ

明治末期の北海道・樺太を舞台に、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画。作中では、食事や狩猟などの場面でアイヌの伝統や歴史、文化が度々紹介される。すごく面白いのでおすすめです。

おもしろフラッシュ倉庫

「Flash黄金時代」と呼ばれる2000年代前半に、Flashアニメーションを掲載していたウェブサイト。僕がよく見ていたのは「赤い部屋」と「千葉!滋賀!佐賀!」。小学生の頃、雨の日の昼休みはコンピューター室でおもしろフラッシュ倉庫を見るのが流行ってました。

ゲゲゲの鬼太郎

TVアニメ第一期の放送開始は1968年1月3日。これまで全6シーズン・500話以上が放送されています。それを3〜4ヶ月で駆け抜けた、ささきるさんの息子さんすごい……!

SCP財団

自然法則に反した存在・物品・場所を取り扱う架空組織の名称。また、その共同創作を行うコミュニティサイトのこと。サイト内では、自身が作った創作物(オブジェクト)を「特別収容プロトコル(オブジェクトの説明、収容方法を記載したもの)」と共に書き込む。オブジェクトの名前は数字で管理されている、そうです。僕は今初めて知りました。

みなさまからのメッセージをお待ちしています

メディアヌップでは、リスナーのみなさまからのメッセージを募集しています。以下のフォームからお送りください。
https://forms.gle/L6HbzjZC7QKkMY4F9

Discordでは楽屋話をしています

番組に関連する雑談や楽屋話は、Discordで行っています。以下からアクセスして、お気軽に書き込んでみてください。なお、招待URLには有効期限があります。もし期限切れの場合は、最新のニュースレター(あるいはブログ)をご確認ください。
https://discord.gg/eQxsZgpHHX

次回もお楽しみに。

制作ノート

企画: 宮本
出演: ささきる, tel, 宮本
編集: 宮本
ディレクション: tel
2022年3月8日収録

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偏愛するコンテンツをメディアやビジネスの観点から紹介していくニュースレター&ポッドキャスト。Nupはアイヌ語で「丘原」の意味。どハマりした沼から這い出て、ちょっとだけ高くて平らなヌップからお届けします。