メディアヌップ|夜の言葉
メディアヌップ
TONUP TRPGの世界・舞台・思想・通貨・物語
0:00
-21:21

TONUP TRPGの世界・舞台・思想・通貨・物語

ソード・ワールドRPG 1.0をベースに遊んでおります

メディアヌップのメンバーで遊んでいる「TONUP TRPG」(過去に2回のセッションを行い、今月は3回目のセッションを予定しています)。その世界・舞台・思想・通貨・物語について語った音声と、その原稿を公開します。いまのところ仲間内で遊んでいるにすぎない内容ですが、今後もしかしたらご興味もってくださる方のために共有いたします。

TONUP TRPGの世界

フォーセリアのなかの「ファーランド」という大陸にある「トオヌップ」という地方あるいは国で冒険するTRPGです。

なおこのフォーセリアはグループSNEが制作・開発した世界ですが、そのなかでファーランドにはユーザーの創作の自由が許されており、TONUP TRPGはその共有材のうえに独自の設定を追加していく予定です。

TONUP TRPGの舞台

今から十年前、ファーランドでもっとも大規模な氷河湖が崩壊し、麓にあった盆地の国トオヌップが大洪水に見舞われ、湖の底に沈みました。時が経ち、水が引くと、沼と丘があらわれました。肥沃な土地に、また人々が住みはじめました。

水が引いた沼の底には、かつての暮らしが沈んでいる

トオヌップには3種類の人々が住んでいます。山で狩猟採集をする「山人」、丘で農耕牧畜をする「平地人」、そして、沈んだ財宝を探すトレジャーハンターであり、山人と平地人の間をとりもつ商人でもある「湖沼人」。

人々は、少し小高い丘の上に新しい家々を築いた

大洪水からの復興で賑わうトオヌップには、他所で暮らしを立てられない食いつめものが、湖沼人として集まってきます。

トオヌップの中心は、山奥には珍しい繁華な地である

水の底からサルベージされる財産は、はじめのうち誰でも持ち去ることができました。しかし次第に、サルベージした財産は一度「復興ギルド」におさめて、ギルドが手数料をとったうえで、持ち主がいれば返却し、冒険者には残りの報酬が支払われるようになりました。

めぼしいサルベージが終わり、ギルドが取り仕切るようになると、一攫千金を夢見る冒険者や腕の立つ賞金稼ぎにとっては稼ぎの乏しい場所となり、彼らは別の場所で働き口を探すようになりました。つまり現在のトオヌップは、駆け出しの冒険者にはちょうどいい難易度の場所になっているというわけです。

TONUP TRPGの思想

大洪水からの復興を通じて、現在のトオヌップには「チャジズム」「マーフィズム」「ファラリシズム」という3種類の考え方が流行しています。

チャジズムは、もともとの経済的反映を取り戻そうとする考え方です。幸運の神チャ・ザを信仰し、交流・幸運・商売を大事にしています。儲けることを目指す、資本主義的な考え方です。

チャジストは、街に暮らすことを好む

マーフィズムは、災害によるリセットを機に自分たちの手で暮らしを取り戻そうとする考え方です。大地母神マーファを信仰し、自然・創造・転生などを大事にしています。ものづくりを目指す、ポスト資本主義的な考え方です。

マーフィストは、里に暮らすことを好む

ファラリシズムは、既存の社会をディスラプトし、進歩的な世の中を作っていこうとする考え方です。暗黒神ファラリスを信仰し、自由・平等・分散などを大事にしています。個人の責任を大事にする、加速主義的な考え方です。

ファラリシストは、群れて暮らすのを嫌う

TONUP TRPGの通貨

フォーセリアでは「ガメル」という通貨が一般的なのですが、ファーランドでは一般に「ファーサリウム/Farthereum」という通貨が流通しています。ここではガメルとFTHの標準的な交換レートと相場を示します。

通貨

  • 1000ガメル = 1 Farthereum(1FTH)

相場

  • ビール一杯 0.001FTH

  • 生活費/1日 0.01FTH

  • ショートソード(筋力7) 0.1FTH

  • ブロードソード(筋力12) 0.28FTH

  • ラバ 1FTH

  • 軍馬 10FTH

  • ファミリア(使い魔) 10FTH〜

TONUP TRPGの物語

古代語魔法(ハイ・エンシェント)は、才能あるものが魔法学院(アカデミー)で習得しなければいけない技能です。

一方、共通語魔法(コモン・ルーン)というものが存在します。これは特別な才能も魔法学院での習得も不要なもので、普段話している言葉で簡単な魔法をかけられる技術です。アカデミーから「魔法の指輪」などを購入することで使用できます。

ハイ・エンシェントに「ファミリア」という魔法があります。これは使い魔を使役する魔法で、古代語魔法を中レベルまで習得しないと使えない魔法です。しかし、誰もが簡単に「ファミリア」(使い魔を使役できる魔法)を使えるコモン・ルーンが開発されました。それを開発したのはアカデミーではなく「非魔法商会」(アンウィズ)です。

なお、コモン・ルーンの「ファミリア」は、どんな動物でも使役できるわけではありません。アンウィズが独自のルートで販売する、特別な使い魔でなければいけません。つまり、ファミリアと使い魔はアンウィズによっと独占的にセット販売されている、というわけです。

しかしこの十年、ファミリアで使役できるアンウィズの使い魔の流通量が激減しました。コモン・ルーンを唱えるための魔法の指輪を手に入れることはできても、それで使役できる動物がほとんどいなくなってしまったことで、使い魔は非常に貴重で高価なものになってしまいました。

そしてある日、都の非魔法商会(アンウィズ)に貴重な情報がもたらされました。

「大洪水の前に、数々の使い魔をつがいで方舟に積み込み、生き長らえさせた人物がいるという。その方舟を、トオヌップの山中で見たものがいるという。もし本当なら、この世から失われたはずの幻の使い魔たちが今もどこかに生きている可能性がある」

アンウィズは、トオヌップに出張所を作り、冒険者たちに呼びかけました。「山中から使い魔を探してきてほしい。アンウィズが十分な報奨をもって買い取ることを約束する」。


というわけで、峠を超えて盆地の国トオヌップにやってきた冒険者のみなさんは、トレジャーハンターとして、そして商人として、剣と魔法と知恵を駆使して使い魔を探し、一攫千金を狙います。

冒険者は峠を越え、湖の底に沈んだトオヌップを目指す(写真: 多田 宜史)

一番最初の地図と一番最後の写真を除いたすべてのイラストは「Clark & Company」の『RPG用背景イラスト素材集』 によるものです。ありがとうございます。

Discussion about this podcast

メディアヌップ|夜の言葉
メディアヌップ
偏愛するコンテンツをメディアやビジネスの観点から紹介していくニュースレター&ポッドキャスト。Nupはアイヌ語で「丘原」の意味。どハマりした沼から這い出て、ちょっとだけ高くて平らなヌップからお届けします。